夏休みがほしいだけ

夏休みがほしいだけ

ただの雑談でございます。

家の屋根に登ってみたいけど術がない

 

馬原の家って一軒家やんな?

 

そうやで。

 

何階建て?

 

二階。

 

あのさあ、おれホンマにずっとやってみたいことがあってさあ。

 

なに?
何なん?
なんか怖いな。

 

おれな、家の屋根に登ってみたいねん。
ほんで夕日を見ながら寝転がって、語らったりしてみたいねん。
でもな、おれんちマンションやからそれができひんねんなあ。

 

無理やで。

 

なにが?
え、なにがなにが?

 

無理やで。
ホンマに。

 

え、なにが?
なんも言ってないねんけど?

 

まあなにがってわけじゃないけど、先言っとくわ。
その、今後の展開見越してトラップカード的な感じで伏せとくわ。

 

ちょっと意味分からんねんけど。
怖い怖い。

 

まあ、いいよ。
ほんで?
マンションやからなんて?

 

だからな、おれんちマンションやから家の屋根に登るとかできひんのよ。

 

まあ、そうやな。

 

だからさあ、馬原んちのさあ、

 

無理やで。

 

え?
なにが?

 

無理やで。
無理無理。

 

だからなにが?
さっきからなに?

 

いや、そのまま来そうな感じしたから。

 

なにが?
来そうってなに?
なんか来てんの?

 

まあなにがってわけじゃないねんけどな。
なんか来そうな感じがな、すんのよなこれが。

 

どういうこと?

 

すごいとぼけるやん。
まあジャブ的な意味で、牽制として言っとくわ。
無理やでって。

 

なにがなん?
さっきからホンマに怖いわ。

 

まあええわ。
おれんちがなに?

 

ちょっと話戻すわ。
閑話休題閑話休題
だからな、馬原んちのな、家の屋根に登らせてほしいねん。

 

はいっ、無理ー。

 

なにが?

 

いや、これに関してはとぼけるのは無理やろ。

 

え?
なにが?

 

いやいや。
もう完全に言ったやん。
逆に屋根登りたいって言った後に、おれがこれを流したら次どうするつもりやねん。

 

ちょっ、ホンマに頼むって!
マジでマジで!

 

もう先の展開がないから普通にお願いしてきたやん。

 

え、こっからおれがひっくり返せる望み、何縷ある?

 

一縷もないのよ。

 

うそ?
二、三縷ぐらいあると思ってた。
うそ?

 

見通し甘いわ。
ゼロ縷、ゼロ縷。
あんな前もって無理やって言われてたのに、二、三縷の望みもってたって主人公かなんかか、おまえ。
どんだけ不屈やねん。

 

分かった。
ほんならちょっとご両親に会わせてよ。

 

いや、無理やって。

 

なんでよ。
それはできるやろ。
ご両親に会わせてもらうぐらいはできるやろ。

 

無理無理。

 

いや、頼むって。
マジで。
直接ご両親とお話させて。

 

まずそのご両親って言うのやめて。
めっちゃ本気やん。
「娘さんをわたしにください」ぐらいの意気込みで来ようとしてるやん。

 

そんぐらいの意気込みよ、こっちは。
スーツに菓子折りの意気込みよ。

 

どんだけやねん。
ほんでスーツで屋根寝転がるのは嫌やろ。

 

おっ!
そんな仮定をするということは、一縷の望みありか〜?

 

ないねん。マジでないねん。

 

じゃあ、ホンマにご両親にだけとりあえず会わせて。

 

それも無理やねん。

 

なんで?
マジでそれぐらいはできるやん。

 

なんでもなにも、親に会わせてる時点で一旦その要望をおれが窓口として通しちゃってることになるから。
そんなんおれの親からしたら
『え、なんでこんなヤバいやつ通したん?受付の時点で帰ってもらえよ』
って、おれへの不信感に繋がっちゃうから。

 

ええやん、会わせるぐらいさせてよ。

 

ええわけないやろ。
どんだけ粘んねん。
おまえ、あれか?
小学生のころ、人の家遊びに行って、そろそろ帰ってって言われても「あともうちょっと」とか言って全然帰らんような子どもやったか?
あれ、あとでホスト側の子どもが親から怒られるからマジでやめろよ。

 

めっちゃ断るやん!

 

無理やって。
そもそも語らう気もないねん。

 

・・・。
そこないんはもう絶対無理やん・・・。