細マッチョはどちらかと言えばマッチョなのか、マッチョではないのか

え、ムキムキやん！？

ん？
ああ、まあな。

めっちゃ細マッチョやん。

まあな、まあな。

めっちゃ細マッチョってなんやねん。
めっちゃ細マッチョはもう普通のマッチョちゃうんかい。

なにをひとりでツッコんでんねん。

え、いつから？
いつからめっちゃ細マッチョになったん？

3月ぐらいからジム行きだしてん。

え、ちょっとやめてよー。
言うてよー。
知らん間にジム行くやん。

ええやん別に。

でも確かに冬に温泉行ったときはガリガリやったもんな。
2月の廣田はガリガリやったもんな。

まあな。

え、じゃあいつぐらいからすでに今ぐらいの細マッチョになってたん？

6月ぐらいには今ぐらいの感じになってたで。

ちょ、やめてよー。
言うてよー。
知らん間に細マッチョならんとってよー。

だからいいやん別に。

そんなんおれ、6月は廣田のこと別に細マッチョじゃないと思いながらしゃべってたで？
細マッチョじゃないやつとして扱ってたで？

別にいいやろ、それで。
ていうか普段から細マッチョとそうじゃないやつで対応変えてんの？

ちょ、やめてよー。
言うてよー。
そっちは知ってたわけやん、
『こいつ、おれのこと細マッチョと思わんとしゃべってんな。』
って。

なんやねん、その謎の思考。

恥ずいわー。
細マッチョじゃないと思いながらしゃべってるって思われてたの恥ずいわー。

それの何が恥ずいねん。

『こいつ、おれが細マッチョになってることに気づいてないから、いまもし世界がえらいことなって、カタストロフィ的な、なんかそんなことが起きてサバイバルしていかなあかんって突然なったとしても、自分とおれは同じぐらいの生存確率やって思いながらしゃべってんねやろな。』
とか思ってたんやろ？
恥ずいわー。

まっったく思ってないから。
何それ？

でも実際そうやん。
ガリガリと細マッチョやったら、絶対細マッチョの方が生存確率は高いやろ。

まあそれはそうかもしれんけど。

ほんでさっきから細マッチョというワードを自然と受け入れてるやん。
全く抵抗を示さんやん。
自分で自分のこと細マッチョやって思ってるやん。

やめて。

細マッチョや思ってるやん。
細マッチョの自覚ありやん。

やめて。
急に恥ずかしくなってきたから。

さっきもおれが「いつぐらいから細マッチョになってた？」って聞いたときも
『そういえばおれ、いつから細マッチョやったっけなー？6月ぐらいには、おれはもう細マッチョとして活動してたかなー？』
って、絶対自分の細マッチョの起源振り返ってたやん。

そんな細マッチョ意識してないから。
ホンマに。

ほんで細マッチョってなんやねん。
マッチョに細いはつかんやろ。

スリムなマッチョってことやん。

いや、それがおかしいやん。
細マッチョになぜかスリムってニュアンス加わってるやん。

なにがおかしいねん。

細マッチョなんかマッチョになりきれてない、言わば低レベルマッチョ、ビギナーズマッチョやん。
マッチョの中でも下の方のザコマッチョやん。

はあ？

そこをなんか
『あえての細マッチョです。』
みたいな、
『ただのマッチョよりもスマートです。』
みたいな感じ出してきてるやん。
でもちゃうやん。
絶対ただのマッチョのほうがストイックで上やん。

でもセル編でパワーに頼った変身をしたトランクス、スピード落ちてたやん。
全然パンチ当たってなかったやん。
だから筋肉つけりゃあいいってわけでもないから。

細マッチョを自覚してるだけでなく、細マッチョとしてのプライドまで携えてるやん。

そもそも鍛えてすらない、ただのガリガリにそんなこと言われたないから。

それを言っちゃあ、おしまいよ。

我ら細マッチョ族にかかればガリガリ族なんてワンパンやからな？

細マッチョ族とかいう共同体の意識まで芽生えてる。
こわい。