自分で自分が臭いってもうだいぶ臭いやん
ん?なんか臭くない?
いやあ?
全然臭くないけどなあ。
ウソ?
ん~、なんかにおうけどな。
え、全然分からんわ。
ちょっと待って。
え、ウソ?
もしかして・・・おれ?
ウソ?
え、・・・自分?
いや信じたくないけどさ、おまえは臭いって言ってて、おれは臭いくないって、それはもうおれじゃない?
自分の臭いやから気づいてないだけで。
ウソ?
ちょっと一回距離とってもらっていい?
自分がにおいの発生源やったら、遠ざかることで臭くなくなるはずやから。
え~、なんか嫌やなあ。
ちゃんと現実と向き合おう。
逃げてばっかりじゃあ人生なんも始まらんで。
ほぼほぼおれが臭いみたいな感じになってるやん。
ほぼおれ確みたいになってるやん。
だっておれは臭いと思ってて、自分はにおいせんねやろ?
ぶっちゃけ状況証拠は揃ってるやん。
自分でも言ってたし。
あとは確かめるだけで、ほぼ見当はついてるしなあ。
そこまで言われたら逆に、自分の身の潔白を証明するためにやったろうやないか。
まさかここまで文字通りの意味で身の潔白という言葉を使う日が来るとは思わんかったわ。
おっしゃ。
じゃあ行ってみよ~。
軽い感じ腹立つな。
もし自分が犯人やったら、そのまま遠ざかってくれ。
それ冷た過ぎん?
始めてくれい。
もうミッションみたいな雰囲気出てるやん・・・。
じゃあ、行くで。
・・・。
どうよ?
う~ん、まだにおいするな。
もうちょっと進んで。
へい。
・・・・。
どうよ?
まだにおいするわ。
う~ん、どうやら自分のにおいじゃなかったようやわ。
ほ~ら!
はい、おれじゃない~。
え~、じゃあなんのにおいなん?
そうなってきたら、逆にそっちのにおいちゃうん?
いやいや、自分で自分が臭いってもうだいぶ臭いやん。
めちゃくちゃヤバいレヴェルやん。
ちゃんとVの発音せんでええねん。
それはないやろ。
それやったら自分がにおい感じてへんのおかしいやん。
いやそれがさ、もうめちゃくちゃ臭すぎておれの鼻がいかれてもうてるレヴェルなんかもしれん。
おれの鼻のにおいを受容する許容限界を超えてるほど臭くて、鼻がぶっ壊れてもうてるんかもしれん。
ヤヴァいやん、それ。
でもこれで辻褄は合うやん。
人って自分のにおいはあんまり気づかへんもんやん。
それでも自分で気づくほど臭くて、ということは他人はもっと臭く感じてるはずで。
ほんで臭すぎておれの鼻がぶっ壊れたと。
これはもはやテロですわ。
そんなマンガみたいなことないやろ。
でももうそれしか考えられへんわ。
とりあえずぶっ壊れたおれの鼻を返してくれ。
ウソやろ?
そんなん最悪やん。
自分で自分が臭いって・・・。
最悪やん!
ちゃんと現実と向き合おう。
逃げてばっかりじゃあ人生なんも始まらんで。
これは逃げ出すレヴェルの現実。