学校の夏期講習って受けるもんなん?
分からへん。
申し込んだ?
おれも分からんかったから、とりあえずなんも申し込んでない。
おれ英語受けたいねんけどなあ。
どんな感じの授業か知りたいなあ。
自分英語受けたいん?
じゃあ一緒に受けようや。
おれもちょうど受けるとしたら英語かなって考えてたし。
じゃあいっちょ申し込むか。
山中先生のやつでいいやろ。
授業自体は午前中やから、それ終わって昼メシ食べて部活みたいな流れやろ。
完璧やん。
完璧な夏休み過ごすつもりやん、おれら。
怖いわ。
文武両道ですやん。
ほんまやで、しかし。
エライコッチャでしかし。
なんで急にやすし出てくんねん。
英語の授業終わって、昼にはちょっと早いからその間図書室で宿題しよ。
で、7月中に全部終わらそ。
完璧やん。
完全無欠の夏休み過ごすつもりやん。
おれここまでの夏休み過ごしたことないわ。
かつてない夏になりそうやわ。
ヤバイな。
これはヤバい。
完璧な計画やわ。
楽しみなってきたわ、夏休み。
おれ図書室で勉強すんのちょっと憧れててんなー。
ついに夢叶うわ。
叶えようぞ。
それはもう、叶えて行こうぞ。
マジで長谷川さんも図書室で勉強してへんかなあ。
長谷川?
好きなん?
めっちゃ可愛くない?
てかなんで呼び捨てなん?
だって小中一緒やし。
おまえ!
先言えよ、そういうことは!
マジかよ。
ちょっと待って。
結構仲良い感じなん?
まあ喋るっちゃ喋るな。
廊下ですれ違ったら喋るぐらい?
「おおう」って挨拶はする感じやな。
たまに喋るぐらい。
アカンアカンアカン。
それはアカンわ。
これで自分と英語の授業終わりに図書室行って勉強してて長谷川さんおったら、確実に長谷川さんと自分が仲良くお喋りする展開なるやん。
おれ置き去りのやつやん。
チャオズ的なやつやん。
いや自分も会話に入ってきたらいいやん*1。
なんで一歩引くんよ。
そもそもチャオズはおれがあえておまえを置き去りにした場合やろ。
こまかっ!
そんなとこええねん。
そんなんよりさ、むずいやん、そういうすでにまあまあ仲良いもん同士の会話に入るのって。
なんか気まずいやん。
ちょっと離れて立っとくぐらいしかできんやん。
大丈夫やって。
おまえは長谷川さんと友達でも、おれはちゃうからさ。
自分らが話弾んで笑ってるとき、おれも笑っていいか分からんやん。
おれも一緒に笑ったら、下手したら長谷川さんに
「なんか隣の知らんやつまで笑ってるやん。こわっ。誰やねん。」
って思われるかもしれんやん。
大丈夫やって。
だ~いじょうぶだぁ~。
てかさ、その前にさあ、自分、長谷川さんのことどう思っとん?
可愛いと思っとん?
いやまあ、それはなあ。
可愛いは可愛いやん。
可愛いって思ってるやん!
え、好きなん?
好きではないよ。
ただ、正直、廊下で喋るとき心の中でテンションは爆上げやけどな。
トップギア入ってる感じではあるよな。
もうそれは好きやん。
マジかよー。
えー、しんどいって。
だって普通に可愛いやん。
そりゃ可愛い女子と喋ったらテンション上がるやろ。
おれ思春期やぞ!
いやそうやけどさー。
え、もしおれがここまで問い詰めんかったら、そういった感情はおれに隠したままにしてた感じ?
いや言うてた。
それは言うてたで、なんかのタイミングで。
そこは信じて。
そんなこころみたいな展開はないから。
ホンマに?
ていうかその感じ結構好きなやつやん。
好きなんちゃうん?
長谷川さんのこと。
いやぶっちゃけさ、もう可愛い女子全員好き。
誰か1人とか選べへん。
みんな好きやわ。
軒並み好き。
わかるー。
めっちゃわかるー。
なんかウザいな。
おれ長谷川さんも好きやけど、秋吉さんも好きやもん。
あー、秋吉も可愛いな。
セイセイセイ。
また呼び捨てやん。
呼び捨ててるやん。
呼び捨ててるは合ってんの?日本語として。
え、秋吉さんとはどういう関係なん?
秋吉もおんなじ中学やってん。
おまえの中学めっちゃ可愛い子多いやん。
半端ないやん。
ていうことは?
もちろん廊下ですれ違うとき挨拶しまっす。
たまに喋りまっす。
うざあ。
めっちゃウザいやん。
なんやねん。
なんかめっちゃ楽しくないわ。
*1:こういう場面でスッと会話に入ってきてすぐに仲良くなれる知り合いがいるけど、本当にすごいと思う。どこで習ってん。