夏休みがほしいだけ

夏休みがほしいだけ

ただの雑談でございます。

屁をこいた犯人はおれじゃないけどアリバイはない

 

最悪や・・・。

 

・・・・・・。

 

絶対勘違いされたわ・・・。

 

・・・・・・。

 

最悪や・・・。

 

今日天気めっちゃ良くない?

 

いや聞いてよ!
「どうしたん?」って聞いてよ!

 

いやめっちゃ天気良いからさあ。

 

もうほぼ先攻おれの感じやったやん。
会話の起こりは見えてたやん。
なんでそこをあえて、めっちゃ基本的なスタイルの天気の話題で話しかけてくんのよ。

 

あまりにもこれ見よがしやったから。
そんでキレてるときの女子みたいな雰囲気感じたから。
かまってほしそうやけど、触れたらこっちに八つ当たりしてくるリスクもあるなって。

 

そう感じたんやったら余計に天気の話なんかしたらあかんわ。
そういうときはそっと距離を置かな。

 

じゃあ、また・・・。

 

いやいや、もう無理やろ。
聞いていけよ、おれの話。

 

え~、何なん。
面白いん?
話って小噺?
落語?

 

全然ちゃうよ。
昨日起きたことよ。

 

ほんなら、まあ聞くわ。

 

あんな、昨日おれ塾やってん。

 

おお。

 

でな、おれの行ってる塾ってビルに入ってて、そこの4階が自習室で、5階が授業受けるとこやねん。

 

おお。

 

でな、おれは授業を受けるためにエレベーターに乗ろうとしてん。
そしたらな、1階に到着したエレベーターから人が出て来て、その人が降りた後に5階に行くために乗ったわけよ。

 

うん。

 

そしたらな、エレベーターの中がな、めっちゃ臭いねん。

 

おお!

 

多分な、さっき降りた人が乗っとったときに屁こいて、その残り香がしてんねん。

 

最悪やん。

 

そうやねん。
めっちゃ臭くて。
もうエレベーターの中で声出して「臭っ!」って言ったもん。

 

やられたなあ。

 

でもな、これで終わりじゃないねん。

 

何なん?

 

『うわあ、臭いわあ』って思いながらエレベーター乗っとったらな、なんと4階で止まってん。
そしたらな、3組の長谷川さんが乗って来てん。

 

うわっ、最悪やん!

 

そうやねん!
長谷川さんもさ、ちょっとしたら明らか臭いに気づいた感じでさ。
小っちゃい声で「えっ?」って言ってたしさ。
もう絶対おれが屁こいたって勘違いしてんねん。

 

めっちゃ面白いやん!

 

なんも面白くないわ!
そんでさ、おれも長谷川さんの顔を知ってるだけでしゃべるほどの仲でもないしさ。
で、ここで
「臭いけどおれがこいたんじゃないねん。おれの前に乗ってた人の残り香やねん」
って言っても嘘くさいやん。

 

せやな。
ただでさえ臭いのによりくさくなるな。
言い訳してるみたいになるな。

 

やろ?
で、おれも自分がこいたわけじゃないのに恥ずかしくて顔暑なってきてさ。
多分長谷川さんから見たら、エレベーター臭くておれの顔真っ赤やから、もう
『犯人コイツやん』
ってなってたと思うねん。

 

そりゃそう思うわ。
『コイツ屁こいてるやん。顔赤いし100%コイツ犯人やん』
って思ってるわ。
密室やしな。

 

もう最悪やわあ。
長谷川さんも4階から5階に上がるくらいでエレベーター使うなよ!
階段で上がれよ!
ロハスに生きろよ!

 

やり場のない怒りが長谷川さんに炸裂してるやん。
八つ当たりしてるやん。
やっぱキレてる女子みたいになってる。

 

もう長谷川さんが誰にも言わんことを祈るしかないわ。

 

いや絶対無理やろ。
高校生の、しかも女子の噂の伝達スピード舐めたらアカンで。
もう光やで。
サニブラウンなんか目じゃないで。

 

もう終わったわ。
完全に詰んだ・・・。

 

でもあれやろ?
ホンマは自分が屁こいたけど、こういうエピソード作っておれを起点として広めていこうとしてんねやろ?
草の根運動的な。

 

せめておまえだけでもいいから信じてくれ。
それでもぼくはこいてない。

 

 

あとがき

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