夏休みがほしいだけ

夏休みがほしいだけ

ただの雑談でございます。

孔子に図星を突かれた愛想のいいやつ

 

おれあの先輩苦手やわ。
なんか会話のキャッチボールにならへんねん。

 

ああ、あの人な。

 

なんか向こうが話題出してきたからこっちが乗ったのに、こっちの返事に対しては全然リアクションしてくれんやん。
急にスーンってされるやん。
あれ、おれなんか試されてんの?

 

確かにそういうとこあるな、あの先輩は。

 

やろ?
キツいわ~。
しかもそんな感じやのに割と話しかけてくるやん。
どういうつもりやねん。

 

でもおれは自分で思うけど、あの先輩と結構うまいことやっていってると思うわ。
自負ある、自負が。

 

そう言われれば自分と先輩で会話が盛り上がってるときあるな。
なんなんあれ?
奇跡でも起こしてんの。 

 

奇跡言うほどの難易度ではないわ。
やっぱな、ある程度の会話のツボがあんねん、あの先輩には。
それをおれが心得てるわけよ。
ツボ、ズボシッってわけよ。

 

そんなツボあんの?
すごいわ自分。
どんなツボなん?

 

先輩とうまく話せるようになるツボほしい? 

 

怪しそうなツボやけどほしいです。

 

あんな、あの人はな、会話がしたいわけじゃないねん。
一方的に話したいだけやねん、多分暇やから。

 

ほう。

 

だからな、会話を別に発展させようとせんで言いねん。
「それ〇〇ですか?」なんていう質問なんかせんでいいねん。

 

えー、しちゃってるぅ。
わたしそれしちゃってるぅ。

 

そんなんせんとな、ただただ「ヤバいっすね」、「大変ですね」、「すごいっすね」。
この三種の神器を使い回してれば、向こうが勝手にしゃべりよんねん。

 

えー、それヤバいっすね。

 

あ、おれじゃなくてな。
その先輩相手にな。

 

ああ、うん。
そうやな。
でもそれ全然会話として面白くないやん。

 

そうやで。
でも目的が会話を楽しむじゃないから。
目的は先輩に機嫌良くなってもらうやから。

 

めっちゃ滅私奉公するやん。

 

そうよ。
滅せ滅せ、私情なんて。
自我を捨てるんや。

 

すごいわ自分。
たくましいわ。
したたかやわ。

 

人には人のツボがあんねん。

 

乳酸菌みたいに言うやん。

 

おれ自分でも思うけどそういう感じのん得意やねん。
相手が好きな感じの会話というか、対応というか。
分かんねん、おれには。
マジおれ豊臣秀吉やねん。
草履温めんねん。

 

ほんまそうやな。
まじでそれは豊臣の秀吉やわ。
サルやわ。

 

もうな、気づいたら自然と相手に合わせてもうてんねん。
気づいたら懐に草履入れちゃってんねん。

 

すごいわ、それは。
もう今日からサルってあだ名で呼ぶわ。

 

それはやめて。
普通に嫌やから。
そういうとこやねん。
そういうとこが自分分かってへんねん。

 

ああ、ごめん。
思わぬマジダメ出し食らったわ。
でもあれやで。
昔から(こう)(げん)(れい)(しょく)(すく)なし(じん)っていうで。

 

なにそれ?

 

愛想を振りまくやつは仁が足りてない、つまり人を思いやる気持ちがなくて軽薄なやつが多いって意味よ。
まあ、うわべだけのやつって感じやな。

 

ハァ?
え、めっちゃ辛辣やん。
それ誰が言ってんねん。

 

孔子よ、孔子

 

ハァ?
孔子ハァ?
何様やねん。
孔子キッショ。

 

これ図星やな。
思いのほか動揺しとるわ。
ズボシッて刺さっちゃってる。