ドラマみたいに電話を急に切られて「もしもしっ?!」ってなること、まずない
おれちょっとやりたいことあんねんけどさ。
なんやそんな漫才の入りみたいに。
ドラマの電話してるシーンでさ、通話先が急に切れて
「もしもし?もしもしっ?!」
ってなるやつあるやん。
あれやりたいねん。
なんであんなんやりたいねん。
だってあんなん現実で絶対に出来ひんやん。
まあそうやけど。
ていうか、やろうとせな出来ひんやん。
まずな、電話が切れたことに気づかんわけないねん。
そうよ。
そりゃそうよ。
「もしもし?もしもしっ?!」って言ってるときは、絶対に向こうから「ツー、ツー」って切れた音が聞こえてるはずやからな。
もうあえて言ってるはずやから。
ホンマに待ってほしいときは
「ちょっと待って!まだ切らんとって!」
って言うから。
その通りやわ。
でもフィクションやから、そこは。
まあな。
あと単純にみんなそんな突然に切らへん。
切られた覚えがない。
でも、おれのばあちゃん突然切るで。
え?
ホンマに?
うん。
おれのばあちゃんは乱暴やから。
「あんた今家にお父さんかお母さんおんのか?」
「いや、今はおらんわ」
「ほうか」
「なんかあんの?」
「ツー、ツー、ツー」
「・・・。切れてるやん・・・」
って感じやから。
要件済み次第、即切りやから。
えっ、そこチャンスやん。
そこで
「もしもし?もしもしっ?!」
やろ。
あんなんだいたい緊迫したり切迫した場面で使うもんやねん。
ここで使うには前後のテンションが合ってないから。
急にギア入れなあかんから。
使う場面ちゃうねん。
おれやったらもうやりたいから、無理やりにでも言うけどな。
無茶苦茶やん。
そんな憧れる場面か?
憧れるやろ。
てかそもそもな、おれのばあちゃんもそんな急に切る?
そんな必要最低限の会話で切っちゃう?
自分のばあちゃん絶対仕事できる人やわ。
無駄ないもん。
ダラダラ話長い人とかもおるやん。
おれのバイト先の店長とか。
自分のバイト先のことは知らんけど。
それにしても急すぎるやろ。
しかも孫やで?
普通孫のこと可愛いやん。
孫との会話楽しいはずやん。
それは孫側のエゴやわ。
孫側がそれを言い出したらあかんわ。
なんでよ。
目に入れても痛くないって言うやん。
ばあちゃんサイドがな。
孫側が自分からばあちゃんの目に入っていって
「痛くないやろ?」
って言うのは違うやろ。
いや、そうやけど。
流石にあんな乱暴に切られたら孫サイドもちょっと悲しいわ。
ばあちゃんがもっと孫としゃべりたくなるように努力せなあかんわ。
今までの話聞いてたら、自分は孫というポジションの上にあぐらをかいてるわ。
めっちゃ言うてくるやん。
何なん。
おれはばあちゃんサイドの味方やから。
しかも自分のばあちゃんなんか急に電話切ってくれるんやろ?
おれの需要を満たしてくれるばあちゃんやから。
「もしー?もしーっ?!」チャンスを与えてくれるばあちゃんやから。
その言い方は貴族のお嬢様が人呼ぶときのやつやろ。
変わってるやん。
執事に愛想尽かされてるやん。