太公望も気さくなおっちゃんやったんやろか
夏休み暇やなあ。
おれは暇ちゃうで。
釣りとかして忙しいわ。
釣りとか暇な人がやるやつやろ。
暇で暇で時間余ってる人がやるやつやろ。
いやちゃうから。
釣りは高尚な趣味やから。
釣り好きは高尚な人種ですから。
太公望*1ですから。
いやいや、待ちの姿勢があかんから。
太公望はたまたまやから。
おれらは攻めな。
釣りとかじゃなくて、狩りをせな。
いやいやいや、おれは天才タイプやから太公望でいいねん。
誰か見つけてくれるから。
世間がほっとかんから、我のことを。
なんやねん我って。
太公望別に我って言わんやろ。
じゃあなんていうねん。
わだすや。
それお前が最近「ひよっこ」にハマってるだけやん。
そういうハマってんの押し付けてくるタイプよなあ。
クリリンのことかー!!
いや、おまえのことや。
なんで今クリリン出てくんねん。
関係ないやろ。
おまえにも、おれの好きなんは好きになって欲しいねん。
分かち合いたいねん喜びを。
なんか嬉しいわ、そう言ってもらえて。
じゃあおれも「ひよっこ」見るわ。
その代わり今度釣りも一緒に行こな。
喜び分かち合おな。
いや、釣りはおもんないからいいわ。
分かち合えや。
一方的やねん。
釣りは一回行ってもう無理って分かってん。
もうほんまに合わんかってん。
なんでよ、面白いやん。
面白くはないやろ。
めっちゃ朝早く起きて釣りしに行って、なんも釣れんかったときキレたろか思ったわ。
誰にキレたらいいか分からんかったけど、キレたろか思ったわ。
そういう日もあるやん。
でも釣れた日なんか、釣った魚さばいて食べたらめっちゃおいしいやん。
おれそれが無理やねん。
言うて自分ら素人やん。
素人が釣った魚を素人がさばいて素人が作った料理を食べるって思ったらなんか嫌やねん。
魚とかは特になんか。
おまえどんだけ繊細やねん。
その魚ってホンマに食べれる魚なん?って思ってまうねん。
信用できひんねん。
ちゃんと調べてるから。
それでもなんか信じられへんねんな。
お店とかやったら食べれるけど。
ある意味お金を払うことで信用を買ってるんかもしれん。
タダで食べれた方が絶対にいいやろ。
他に釣りしてるおっちゃんとかとも仲良くなれるし。
おれ別におっちゃんと仲良くなりたいなんか思ってないからいいわ。
なんならお金払って放流してもらえる川釣りとかやったら行きたいわ。
信用できるやん。
それは釣りの醍醐味失ってんねん。
面白さ半減してんねん。
合わせて川にはおっちゃんもおらんから面白さゼロやわ。
おっちゃんとの出会い、釣りの面白さの半分も占めてんの?
バファリンのやさしさみたいになってるやん。
おっちゃんとの交流で心があったかくなって優しい気持ちが生まれるから、そういう意味ではバファリンと一緒やわ。
釣りの半分はおっちゃんとの交流、つまりやさしさでできてる。
そんなかよ。
釣りしてるおっちゃんはみんな優しいから。
でもおれはもう確実に食べれる魚を確実に釣りたいねん。
不確定要素ゼロがいいねん。
ほんま現代っ子やわ。
おっちゃんも悲しんでるわ。
あとがき