あの俳優めっちゃ売れてるけどそんなにイケメン?
真中中之助おるやん?
ああ、おるなあ。
あいつ、最近映画出すぎちゃう?
確かにめっちゃ出てるな。
出すぎやろ。
ちょっと前に恋愛映画出てたのに、次また別の恋愛映画に出るやん。
CMでやってんなあ。
いくらなんでも早すぎて、前の映画の残像まだあるやろ。
あれ、女子はいいわけ?
いいわけやから人気あるんやろ。
でも高校のときとか、別れてすぐ別の女子と付き合う男子のことボロクソ言ってたやん。
それと一緒やん。
一緒ではないやろ。
おかしない?
それはそれ、これはこれやねん。
世の女子たち、もっと怒れよ。
怒っていけよ。
怒り狂えよ。
そこまで求める?
なんでそんな怒ってんのよ。
いや、一個いい?
なに?
え、そんなイケメン?真中中之助。
はい、それな。
いや、マジでマジで。
こんなに人気出るほどイケメンですか?
おかしくないですか?
あんな、そう思うんやったら自分はキレたらあかんわ。
え、なんで?
おれにもキレる権利あるやろ?
キレる権利はないやろ。
正直、こんな次から次へと映画出れるほどイケメンちゃうやろ。
おかしいやろ。
ちゃうねん。
イケメンじゃないと思うんやったら、そこで自分は逆に喜ばなあかんわ。
どういう理屈?
いいか?
心して聞けよ?
まず自分はイケメンではないやん?
ちょっと待って・・・。
・・・。
やっぱそう?
そう。
いや、薄々気づいてたで?
気づいてたけど、心のどこかで足掻いてた部分もあるわ。
まずそこを受け入れてもらわんことには話進められへんわ。
行ける?
分かった。
行ける。
もう大丈夫。
だからな、自分イケメンちゃうやん。
はい。
で、真中中之助のこともイケメンじゃないと思ってるんやろ?
はい!
そうです!
じゃあな、そんなイケメンじゃない真中中之助でもこんなに売れてるってことは、あなたにもチャンスがあるってことですやん!
!!!
神様は平等に見てくれてるってことですやん!
ホンマや・・・。
な?
これが真中中之助がイケメンやったらどうですか?
イケメンだから売れてる、一方あなたはイケメンではない、はい、あなたは無理です、こうなるやろ?
なる!
なるなる!
でもイケメンじゃないあなたがイケメンじゃないと思ってる人が売れてるってことは、それは仲間が売れてるってことで、それはあなたに可能性を示してくれているわけであり、あなたはむしろ応援するべきなのです。
青天の霹靂・・・。
それをあなたは醜い嫉妬心に飲み込まれて己を見失い、振る舞うべき態度を取っていなかった・・・。
反省せよ。
・・・猛省します。
ただ、これはつまりわたしにもチャンスがあると・・・?
ここからは厳しい現実やけど、どう考えてもイケメンはイケメンじゃないやつより売れるやろうし、イケメンでいいやつはもっと売れるやろうし、そんなやつらに勝とうと思ったらもう個性でぶち抜くしかないけど、自分はそんなに個性的でもないし、なんなら醜い嫉妬心もちやからノーチャンスちゃう?
なんやねん!
ほんでなんやかんやで真中中之助はイケメンやろ。
イケメンちゃうやろ!
なんでやねん!
さっきあんな悔い改めてたのに一気に開き直ってきたな。
マジでイケメンちゃうと思うけどなあ。
そもそも自分が真中中之助のことイケメンじゃないって思ったところで、マジで何にもならんから。
だからなんやねんって話やから。
言っとくけどおまえもイケメンちゃうからな。
はあ?