「好きじゃない」は「嫌い」ってことではない
今日飲みに行こうや。
お、いいで。
おれもそろそろ飲みに行きたかってん。
気ぃ合うわ~。
通じ合ってるわ~。
な~。
なに食べる?
おれ焼き鳥食べたいわ。
行こうや。
おれあんま焼き鳥好きちゃうねんな。
えー。
焼き鳥嫌いなんか。
いや、嫌いではないねん。
好きじゃないだけやねん。
何がちゃうねん。
一緒やん。
いや、全然ちゃうやろ。
嫌いと好きじゃないは全然違うやろ。
いや、一緒やん。
本気で言ってんの?
マジで?
ヤバない自分?
ヤバないよおれは。
おまえのほうがヤバいよ。
何でやねん。
何でおれがヤバイねん。
違いが全く分からへん、おれには。
あんな、嫌いはもう食べられへんねん。
嫌いやから。
でもな、好きじゃないは嫌いなわけではないから食べられはすんねん。
ただ、そんなテンションは上がらへんねん。
「今日の晩御飯は焼き鳥よ〜。」
ってオカンに言われたら、
『焼き鳥かよっ・・・。』
ってちょっとテンション下がんねん。
それ嫌いやん。
いや、ちゃうやん。
食べられはすんねんって。
ただ進んでは食べへんねん。
だからそれ嫌いやん。
ちょっ、ちゃうって。
え、何なん?
おまえアホなん?
アホなんか?
いや、もう全然分からん。
テンション下がるってことはもう嫌いやん。
その、なんで好きか嫌いかの2択しかないねん。
物事そんなにスパッと別れへんやろ。
もっとグラデーションあるやろ。
なんで分からへんねん。
めんどいわ~自分。
おれなん?
おかしいの。
まあ焼き鳥じゃないんやろ?
じゃあ何がいいねん。
え、待って。
おれがめんどいみたいになってもうてるやん。
なってもーたーるやん。
嘘やん。
もーたーるやめろ。
腹たつから。
えーだるぅー。
だるっ。
だるいわー。
もういいって。
どこ行くねん。
ちょっとイラついてるやん。
嘘やん。
焼き鳥好きじゃないって言っただけで。
嘘やん!
なんで?
こんなんなると思ってなかった。
嘘やん!!
もう分かったって。
うるさいわー。
誘ったときは気が合うと思っとったのに。
嘘やん!!!
もういいって。
嘘やんもういらん。
嘘やん・・・。
嘘ちゃうわ。
ほんまにもういいねん。
なに食べに行くねん。
おれ、お刺身とか餃子とか軟骨の唐揚げとか色々食べれる総合力ある居酒屋行きたいねん。
じゃあもうそういうとこ行こ。
行こ。
もうなんかややこしなったから。
ややこしくなってしまったから。
誰が言うてんねん。
ちゃんと言うな腹たつ。
もう行くで。
腹たつなー。