眉毛を抜くのに夢中になってしまい遅刻してしまいました
おい、遅刻やぞ。
ごめん。
ホンマごめん。
なんで遅刻してん。
いやあ、それは。
なんやねん。
言えや。
だって絶対怒るもん。
なんやねん。
怒られるようなことなんかよ。
これは100%怒る。
怒らんはずがない。
怒らずにはいられようか。
その割にふざけるやん。
余裕あるやん。
もう怒ってるやん。
遅れた理由をさっさと言わんからや。
はよ言え。
えー。
言わな怒るで。
でも、言っても絶対怒るもん。
怒らんから。
言ってみ？
怒るときのやつやん。
ホンマに怒らん？
怒らん、怒らん。
信じるで？
うん。
眉毛抜くのに夢中になってたら遅刻しました。
はあ？
まあ「はあ？」やろな。
返す言葉もないわ。
はあ？
いや、ない？
眉毛抜くのに夢中になって遅れること。
ふと時計見たら
「もう家出なあかん時間過ぎてるやん！」
みたいなことない？
ないわ。
ふざけてんのか。
怒らん言うたやん！
怒ってるやん！
嘘つきやん！
おい！
とりあえず大声出して、こっちの怒りかき消そうとしてくんなや。
火に油注いでるから。
いや、ほんまごめん。
マジで。
え、なんでそんなタイミングで眉毛抜くん？
時間あるときにしたらいいやん。
いやさあ、朝ヒゲそるやん？
鏡見ながらな。
そしたら、眉毛生えてんなあってなってさ。
最初は目立つやつだけササッと抜こうと思ったんやけどさ。
抜くやん？
そしたら、抜いたとこ以外の毛が目立ってきた気がしてくんねん。
はあ？
そのな、存在感あるやつを抜くやろ？
そしたら次はそれまで存在感あるやつのおかげで隠れてたやつが存在感を放ってくんねん。
存在感があるやつがおらんようになったからな。
次の芽が育った的な？
だからなんやねん。
だから、その新たな存在感あるやつが気になって抜こうとしてまうねん！
で、それ抜いたらまた新しいやつが存在感を放ってくんねん！
で、それ抜いたらまたニューカマー出てきて、どんだけ層厚いねんおまえらってなんねん！
だから、大声でなんかうやむやにしようとすんのやめろって。
怒ってんの察知したらすぐそれするけど、裏目に出てるからな？
余計にイライラするからな？
マジ強豪校との練習試合ぐらい層厚いわ。
『え、こいつら3軍なん？おれらの1軍より強いやん』
って感じやわ。
なんでやねん。
眉毛でそんなことならんやろ。
意味わからん例えすんなや。
いや、ホンマに申し訳ないと思うけど、ない？
眉毛抜くのに夢中になること、ホンマにない？
止まらんときない？
いや、あるっちゃあるけど。
あるやろ！？
ほら、あるやん！
な！？
しゃあないやろ！？
いや、どこに起死回生の兆し見出してんねん。
あるっちゃあるって言っただけで、全然許してもらえる雰囲気ではないやろ。
目論み甘すぎるやろ。
え、じゃあどうしたらいいん？
眉毛抜かんかったら良かったん？
なんで逆ギレしてんねん。
どういう神経してんねん。
で、その通りやわ。
眉毛抜かんかったら良かってん。
マジ辛えー。
辛いわー。
ホンマにコイツ、遅刻しといて頭おかしいわ。
