夏休みがほしいだけ

夏休みがほしいだけ

ただの雑談でございます。

まだ出会ったばかりだから、冗談を言うタイプの人かどうかが分からない

 

宮西くん。

 

はいっ。

 

ほんならー、ちょっとキッチンの真ん中やってみよか。

 

あっ、いきなり真ん中ですか。

 

そうそう。
真ん中は、ここから出てくる伝票見ながら料理盛り付けて。
で、できたらホールの人に声かけて提供をお願いするって感じ。

 

はい・・・。
まだ、そんなにメニューも覚えれてないんで自信ないですけど・・・。

 

だいじょうぶ、だいじょうぶ。
そんな緊張せんでもいいで。

 

あっ、はい。

 

最初は誰でもミスしてまうもんやから。
ちょっとぐらいミスしてもいいし。
な?

 

分かりました。

 

そうそう。
リラックスして。
ゆっくりでいいから。

 

ありがとうございます。

 

ミスってもちょっと叩くぐらいやから。

 

えっ!?
えっ!?

 

叩くだけやから。
な?
そんな怖がらんでも、だーいじょうぶや。

 

えっ、ミスしたら叩かれるんですか?

 

大丈夫、大丈夫。
最初はちょっとぐらい間違えたりもするけど、そんな気にせんでいいから。

 

いや、そこじゃなくてですね・・・。
あのー、ミスしたら叩かれるんですか?

 

そりゃあミスしてるからな。

 

あっ、叩かれるんですね・・・。

 

でも、ミスとか誰だってするから。
だいじょうぶ、だいじょうぶ。
そんなんミスしたぐらいで落ち込まんでいいからな?
切り替えたらいいから。

 

いや、そこじゃなくてですね・・・。
普通に叩かれるんが怖いというか・・・。
えっ、叩かれるのは何回目からとかあるんですか?

 

そりゃあ初回からよ。
ミスってるわけやから。
こはちゃんとせな。

 

初回から・・・。

 

どうした?
そんなミスんの怖いか?

 

いや、ミスんのが怖いというか・・・。
叩かれるのが怖いというか・・・。
まあ、つまりはミスんのが怖いってことになるんでしょうけど・・・。

 

そんなマジでは叩かんやん。

 

・・・。
え、だってちょっと石川さんガタイいいじゃないですか。

 

まあな。
ジム行ってるし。

 

ジム行ってるんですか?

 

うん。
ジムでダンベル持ち上げたりとか、こう、負荷がかかってるひもを引っ張ったりとか。

 

え、マシンで走ったりは?

 

走るんはあんまりせんなあ。
バーベル持ち上げたりもするで。

 

(腕に特化してるやん・・・。叩く用の筋肉ばっか鍛えてるやん・・・。)
え、マジでミスったらいかれるんですか、ぼく?

 

じょーだんやん!
じょーだん、じょーだん!

 

え?

 

叩くわけないやん、そんなん。

 

えー!
うわー!
ちょっと怖かったですって!

 

ちょっと叩くだけやん。

 

え!?
え!?
どっちですか?

 

冗談やって!
叩かんって!

 

え、ちょっとマジでどっちですか?
ぼく、ここ入ってまだ三回目なんですよ。
その、石川さんがそういう冗談言われるタイプかどうかもまだ分かんないんですよ。

 

言うタイプやん。
見た目通りやん。

 

え、マジの冗談ですか?

 

冗談やって。
ホンマに冗談。

 

信じますよ?

 

ちょっ、あんまりしつこかったら叩いてまいそうやわ。

 

え!?

 

ウソやって!
冗談やって!

 

マジでやめてくださいよー!

 

ホンッマに叩かんから。
そんなんパワハラやから。

 

いや、ホンマに怖いですって。

 

ビックリした?
面白かった?

 

ビックリしましたよー、ホンマにー。

 

じゃあ、真ん中やってみよか。

 

あっ、真ん中やるんはホンマなんですね・・・。