みんな座右の銘って決めてるもんなん?
転職先どうなん?
今のとこは特になんもないな。
まだ入ったばっかやし。
まあ、そりゃそうか。
まだなんも分からんか。
会社の人の雰囲気はいい感じやけどな。
まだ未知数やけど。
うん。
それにしてもさ、座右の銘ってさ、みんな決めてるもんなん?
え?
いやさ、中途採用で新入社員として入ったわけやから、社内広報とかに自己紹介文を書くわけよ。
ああ。
そこにさ、座右の銘っていう項目があるねんけどさ。
毎回思うけど、この座右の銘いる?
みんなそんなに座右の銘って決めてもってるもんなん?
そんで、そんな知りたい?
ああ、そういうことな。
いやもう正直な、この座右の銘を聞かれるたびにわざわざ座右の銘を考えてるわけよ。
もってないからな。
確かにな。
で、一個前に座右の銘を聞かれたときになんて答えたかなんか、もう覚えてないねん。
コロコロ変わってるから、もはや座右の銘じゃないねん。
全然座右じゃない。
そう言われればそうやわ。
しかも、他の人の座右の銘も覚えてないしな。
一緒に仕事するときに
『この人、座右の銘「切磋琢磨」の人やん。
え、おれとも切磋琢磨するつもりなんかな?
そう思ったら、なんか緊張してきたな。』
とかならへんやん?
ならへん。
絶対にならへん。
切磋琢磨しようとする感じも分からへんし。
座右の銘を教えてもらったところで、別にその人の世界観も分からんへんしな。
別に商品じゃないから。
まあ、そりゃそうやわ。
付き合っていって分かるもんやからな、ひととなりは。
やろ?
だから、座右の銘ってやつが苦手やわ~。
『座右の銘「柔軟」って全然柔軟じゃないやん。
座右にしちゃってるやん。』
みたいなこともあるやろうしな。
そこはいいやろ。
座右の銘ってそういうもんやねんから。
いやいや。
ホンマに自分は柔軟なのが取り柄、モットーって思うんやったら、「座右の銘は「座右の銘を決めない」です。」って言ってほしいわ。
それは座右の銘「頑固」やん。
めちゃくちゃめんどくさい人やん。
『うわっ、この人クセ強いな。
めちゃくちゃ自分もってるタイプの人やん。』
って、ちょっと警戒してまうわ。
苦手やわ~、座右の銘。
結局自分は座右の銘、何にしたん?
おれはもう適当に「一生懸命」よ。
「一所懸命」とどっちか迷ったけどな。
どっちも意味は一緒やろ*1。
なんやそれ。
めちゃくちゃ無難なやつ選んでるやん。
そんなもんやろ。
自分あるか?
おれは「Without haste, but without rest.」*2。
え、え、え?
いや、めちゃくちゃ座右の銘もってるやん。
スッと出てきたやん。
しかも、英語やん。
なんて言ってん?
Without haste, but without rest.
全く意味分からんわ。
どういう意味やねん。
「急がず、しかし休まずに」みたいな。
おじゃる丸のオープニングみたいなことね。
やめて。
一気に可愛くなったから。
ストイックな感じ消え失せてまうから。
おまえ、めちゃくちゃ座右の銘決めてるやんけ。
さっき、もってないって言ってなかった?
おれはもってんねん。
携えてんねん、座右の銘を。
しかも英語のやつを。
全然似合ってないから。さっきの・・・、なんやった?
Without haste, but without rest.
「急がず焦らず」な。
いや、それおじゃる丸や。
「まいろぉ~お~か~」じゃないねん。
*1:ニュアンスはほとんど同じです(「一生懸命」「一所懸命」どちらが正しい? | ことば(放送用語) - 放送現場の疑問・視聴者の疑問 | NHK放送文化研究所)。