ジュースの濃縮還元という概念を受け止め切れない
はあ~、ドリンクバーって最高やな。
2、300円払うだけで無限に飲めるもんな。
そう。
無限やで、無限。
そんなんありえる?
でも、それがありえるんだな。
素晴らしいよね、ドリンクバー。
ここはもはやオアシスやわ。
クーラーも効いてるし。
ここに一生おれる気するわ。
な。
泊まりたいわ。
ファミレスさいこ~。
ちょっとジュースおかわりしてくるわ。
いってらっしゃ~い。
・
・
・
・・・おい。
おう、おかえり。
どういうことやねん。
どないしたん?
おれはとんでもないものを見てしまった気がする・・・。
え、なに?
何が起きたん?
おれの大好きな100%オレンジジュースのボタンを押したら、オレンジ色の液と透明の液2つが出てきたやん。
どういうことよ?
あ~、自分もついに真実を知るときが来たようやな。
100%じゃないん?
なんで透明の液も出てくんのよ?
おれが今までオレンジ100%と思いながらグビグビ飲んでたやつは、100%じゃなかったんか?
実は50%やったんか?
もうなにも信じれん。
落ち着け。
パニックになるんじゃあない。
何を信じて生きていけばいいんや・・・。
あのな、それは濃縮還元という概念やねん。
濃・縮・還・元・・・?
いや、そんな今から必殺技の修行始まるみたいなリアクション取らんでもいいねん。
なんやねん濃縮還元って。
おれも知ったときは驚いてんけどさ。
うん。
濃縮還元はな、例えばオレンジジュースやったら、元々のオレンジの果汁があるやん?
おう。
そのオレンジの果汁に含まれる水分を飛ばして、オレンジの成分だけを濃縮してんねん。
で、飲むときにその濃縮したやつに水を加えて、もとのオレンジの果汁ぐらいの濃度に戻してジュースにしてんねん*1。
え、なんでぇ~?
それは知らん。
え、そのままでいいやん。
どうせ戻すんやろ?
なんかあるんやろ理由が。
え、じゃあお湯加えて作るカッチカチの味噌汁のもとみたいなもんってこと?
ああ、そうちゃう?
そんな感じちゃう?
それはなんか駄目じゃない?
味噌汁はまだいいけど、オレンジジュースはなんかこう、そんな方法使ったらフレッシュさが無くなってる気がせん?
いや逆やろ。
フレッシュさを保つために濃縮して保存してるんじゃないん?*2
乾燥させてるもんって、得てしてそういうもんやろ。
いや、ちょっと・・・。
ええ~?
全然受け入れられてないやん。
いやそりゃそうよ。
だっておれ、今までずっともうオレンジジュースまるごと飲んでたと思ってたからな。
それが一回ガッピガピのミイラになって、水で戻してたって・・・。
まあ、この真実は誰もが通る通過儀礼みたいなもんやから。
サンタクロースは実は両親やったみたいな。
こうやって大人になっていくねん。
いやいやいや。
これはデビルマンぐらい裏切られた気分やわ。
でもな、この都会のオアシスであるファミレスにおいて1つだけ本物のオレンジジュースを飲む方法があんねん。
えっ?
はっ!
気づいたか。
そうかっ!
サラダバーのオレンジをコップに絞って自分でオレンジジュースを作ればいいんだ!
そう、それが本物のオレンジジュースを飲む唯一の方法なのだよ。
でも、めんどいから濃縮還元100%のオレンジジュースでいいわ。
普通に美味しいし。
なんやってん、さっきまでの茶番。
*1:カゴメのホームページに濃縮還元に関して説明しているページがありました(カゴメ株式会社 > 野菜ジュースのホント! > 濃縮還元の野菜ジュースは栄養が少ないの?)。
*2:濃縮還元により水分を取り除くことで微生物の繁殖を抑制し、保存性を高めることができるようです。また、重量と体積が減少することで輸送コストを下げることができるといったメリットもあるようです。