欲しい本が多分置いてないけどなんかずっと探してしまう
ちょっと本屋寄っていい?
ああ、いいで。
欲しい本があんねん。
行こ行こ。
ちょい探すわ。
おお。
・・・。
・・・。
・・・。
・・・あった?
う~ん、この棚にあるはずやねんけどなあ。
ネットの在庫検索で調べたらFの7番の棚って書いてあったから。
Fの7はここやな。
やろ?
さっきから見てんねんけど見つからんねんなあ。
なんてタイトル?
これよ。
ほうほう。
おれも探すわ。
どれどれ・・・。
・・・。
・・・ないなあ。
見つからん?
もう店員さんに聞いたら?
それはなんかちゃうねんな。
え?
なにがちゃうねん?
店員さんに聞くんはまだ早いわ。
でも全然見つからんやん。
なんか店員さんに聞くんはちゃうねん。
じゃあどうすんねん。
もうちょい探す。
ないやん!
見つからんやん!
いや、おれらが見つけられてへんだけで、どっかにあるかもしれへんやん。
この棚じゃないかもしれんし。
それやったら探すん難しいから店員さんに聞こうって。
それはちゃうねんって。
だからなにがちゃうねんって!
なんかなあ、店員さんに聞くのはちゃうねんなあ。
いやもうおれが聞いてくる。
我慢できん。
すみませ~ん!
あっ!
勝手に聞きよるわ。
ハーイ。
この本ってどこにあるか分かります?
少々お待ちください。
・・・。
こちらの棚の・・・。
あっ、こちらですね。
ありがとうございます。
おい、あったぞ。
やっぱ棚の場所変わってたわ。
ほんまや。
てか最初から店員さんにスッと聞いたらいいやん。
こうやってすぐ見つかるやん。
いや、おまえは分かってないわ。
なにがやねん。
やっぱこう、なんかな、自分で探したいわけよ。
ていうか、おれなんかこの本屋みたいにネットで在庫検索が出来ひん本屋で、多分置いてないんやろうなあってときもなんか粘るもん。
もうほぼほぼ置いてないことは分かってんねんけど、なんか探してまうねん。
往生際悪く。
なんやねんそれ。
意味分からんわ。
なんやろな、あの感じ。
なんか探してまうねんなあ。
ネットで在庫検索出来んにしても、店員さんに聞いたらいいやん。
ちゃうやん。
そんなん店員さんに聞いたらすぐ分かってまうやん。
それはなんか味気ないやん。
それはもう最終の最終の最終手段やから。
店員さんに聞いたら「あっ!あった!」っていう見つけた喜びを感じられへんやん。
聞いた方が早いやん。
あかんわ。
現代っ子やわ。
なんでも効率的に行こうとしよんねん。
探すのに時間がかかったほうが見つけたときの喜びも大きいやん。
分からんわ~、その感覚。
まあええわ。
ほら、見つかったし買って来たら?
う~ん、どうしよ。
えっ、あんな探したのに買うか悩むん!?
なんでぇ?
いや本ってさ、本屋で手に取ってるときはめっちゃ読む気起きてるけど、いざ買って家に帰ったら興味なくなってるときあるやん?
今回もそのパターンの可能性が否めんから、ちょっと悩むわ。
いや、もっと衝動的に、刹那的に生きろよ!
んなもん悩むなよ!
買えよ!
いや~、ちょっと考えさせて。
プリーズギブミーシンキングタイム。
マジかよ。
なんやねんおまえ。
CDとかレンタルするときもさぁ、ツタヤ行く前は『あれとあれとあれ借りよ』とか考えるけどさぁ、いざツタヤ行ってそのCDを目の前にしたら、借りたかった気持ち消え失せてるときない?
『そうでもないなぁ』って気持ちが雲散霧消することない?
ないよ。
雲散霧消することなんてないよ。
『あったわ』って思って借りるだけやわ。
ちゃうねんな~。
「ちゃうねんな~」がなんか腹立つなぁ。
それもう禁止やわ。
あとがき