夏休みがほしいだけ

夏休みがほしいだけ

ただの雑談でございます。

落とし物を拾って渡した後も人生は続く

 

昨日歩いとったらさ。

 

うん。

 

おれの前を歩いてた人がハンカチ落としてん。

 

なんで?
そんなことある?

 

そこ引っかかる?

 

ハンカチ落とすことある?
ハンカチ落としで遊んでるとき以外で。

 

それが多分やで、多分スマホとハンカチをおんなじポケットに入れとって、スマホを取り出すときにハンカチが一緒に出てきて落ちたんやと思うねん。

 

う~ん、ありそうっちゃあ、ありそうやな。

 

正直、ここはどうでもいいねん。
変なとこで引っかかるんやめて。

 

ああ、ごめんごめん。
で?

 

で、前の人がハンカチ落としたことに気づいたから、拾って渡したわけよ。
「ハンカチ落としましたよ」って。

 

偉いやん。

 

まあな。

 

その人可愛かった?

 

それがおっちゃんやってん。

 

うわあ、残念やなあ。

 

それは正直ちょっと思ったわ。
いやまあ後ろ姿の時点で、もうおっちゃんなんは確定しててんけど。

 

でもおっちゃんがハンカチ持つか?

 

いや持つおっちゃんもおるやろ。
ていうかまだ話続きあんねん。
さっきも言ったけど、変なとこでいちいち引っかからんとってくれる?

 

ああ、ごめんごめん。

 

謝り慣れてるわあ、なんか。

 

で?

 

その「で?」もちょっと腹立つねんけどな。
まあいいわ。
それでハンカチを渡したわけよ。

 

うん。

 

そしたら、まあ普通に「ありがとうございます!」って言ってくれたわけよ、そのおっちゃんが。

 

偉いやん、おっちゃん。

 

さっきからなんか上から目線やねんなあ。
まあ、それでこっちも良いことしたなって、なんか心があったかくなったわけよ。

 

良い話やん。

 

でもな、そのハンカチを渡した後が難しかってん。

 

どういうこと?

 

ハンカチ渡すやん?
そしたらもう用はないわけよ。
でもな、おっちゃんにハンカチを渡したってことは、おっちゃんとおれとの距離はゼロまで近づいてるわけよ。

 

うん。

 

でもおれとおっちゃんの関係はしょせん、ハンカチを渡し渡されたぐらいで赤の他人やん?
それから一緒に歩くのもなんか違うやん。

 

ああ、そういうことな。

 

でも、こっちが急にブレーキかけて、一旦おっちゃんと距離取ってから歩き出すんもなんか変やん。

 

確かにな。

 

おっちゃんはおっちゃんで拾ってもらった恩を感じてんのか、なんかこっち方を気にしてるわけよ。
「ありがとうございます!」って言ってから、急に元の他人同士の関係に切り替えんのもどうなんやろみたいな感じで。

 

なるほどな。
なんか別れた後に、友達に戻れんかった元恋人同士みたいやな。

 

なんでおっちゃんとそんな感じならなあかんねん。
まあでも、おれがここで言いたいのは、ハンカチを落とした後も人生は続いてるってことよ。

 

大げさやな。

 

だから映画とかマンガでも、恋愛が成就したり、甲子園優勝したり、宇宙人撃退した後も人生は続いてるわけよ。
もしかしたらその後、別れてるかもしれんし、プロ野球選手になれんかったかもしれんし、宇宙人に勝てることに気づいて反対に侵略しに行ってるかもしれんわけよ。

 

まあ、クライマックスの後にしょっぱい展開があるかもしれんってことな。
最後のやつだけちゃうけど。

 

そういうこと、そういうこと。
今回もそうやったし。
そんでな、今回みたいな場面を自然に乗り越えられる、スマートでクールでダンディなイケてるメンズになりたいと心底思ったわ。

 

クールとイケてるは意味一緒ちゃう?

 

細かいな。
最後まで水を差し続けてくるな。

 

 

あとがき

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